1990年代はじめ、とある心理学者が調査を行った。
ベルリン音楽アカデミーの2人の教授の助けを得て、アカデミーで学ぶバイオリニストを3つのグループにわけた。
- スターのグループ=世界的な独奏者になれる可能性を持つ学生
- 優れたという評価にとどまる学生
- プロになれそうもなく、効率学校の音楽教師を目指す学生
全員に同じ質問をした。
「はじめてバイオリンを手にした時から、これまで何時間、練習してきましたか?」
スターグループは果たして単なる天才だったのか?
そもそも天才なんて存在するのか?
今回はその答えに迫ります。
目次
生まれつきの天才は存在するのか?
「生まれつきの才能はあるのか?」
答えは明らかにイエスだ。引用:天才! 成功する人々の法則より
環境に恵まれた人が全てトップのレベルで活躍できるわけではない。
やはりそこには才能が必要になる。
けど、成功するには才能だけでなく訓練も必要になる。
才能のある人間の経歴を調べれば調べるほど、もって生まれた才能だけでいいのかということに疑問が出てくる。
持って生まれた才能よりも、訓練の役割がますます大きく思えてくるのだ。
その例として冒頭のベルリン音楽アカデミーでの調査を紹介したい。
ベルリン音楽アカデミーでの調査。天才は存在するのか?
「はじめてバイオリンを手にした時から、これまで何時間、練習してきましたか?」
この質問を3つのグループにわけた全ての生徒にした。
▼3つのグループ
- スターのグループ=世界的な独奏者になれる可能性を持つ学生
- 優れたという評価にとどまる学生
- プロになれそうもなく、効率学校の音楽教師を目指す学生
始まりは5歳で差はほとんどない
学生はほとんどが同じ時期である5歳ごろから練習を始めていた。
最初の2、3年はみんな同じくらいの練習量で、週に2、3時間。
8歳から大きな差が出始める
8歳になると大きな差が出始める。
スターのグループの学生たちが、8歳ころから誰よりも多く練習に励むようになる。
スターのグループの学生は一万時間練習している
スターのグループの学生はどんどん練習時間が増えていく。
- 9歳で週6時間
- 12歳で週8時間
- 14歳で週16時間
- 20歳で週30時間以上を優に超える
20歳になるころには総練習時間は、1人当たり一万時間に達する。
優れた学生グループは、8000時間、将来の音楽教師グループでは、4000時間という結果だった。
プロのピアニストも調べるとやはり一万時間練習していた
心理学者はプロとアマチュアのピアニストについても調べた。
これも結果は同じだった。
20歳のころにはベルリンの音楽グループのバイオリニストの学生同様に一万時間の練習を積んでいた。
天才はなんの努力もせずになれるのか?
今回の調査で注目すべきことは、心理学者は生まれつきの天才を見つけることはできなかったことだ。
仲間が黙々と練習にはげむ中で、その何分の一とかの時間で楽々とトップの座にいられる人はいなかったのだ。
逆に、誰よりも練習して、トップクラスに入る力がない人もいなかった。
頂点に立つ天才は、他の人よりほんの少しか、ときどき熱心に取り組んできたということはない。圧倒的にたくさんの努力を重ねている。
世界に通用する人間に共通するのは、『一万時間』である。
一万時間よりも短い時間で真に世界的なレベルに達することはできない
神経学者のダニエル・レビティンはこう語る。
『作曲家、バスケットボール選手、小説家、アイススケート選手、コンサートピアニスト、チェスの名人、大犯罪者など、どの調査を見てもいつもこの数字が表れる(この数字=一万時間)。もちろんだからと言って、一部のものが他のものよりも、練習から大きな成果が得られる理由がわかるわけではない。だが、一万時間よりも短い時間で、真に世界的なレベルに達した例を見つけた調査はない。まるで脳がそれだけの時間を必要としているかのようだ。専門的な技能を極めるために必要なすべてのことを脳が取り込むためには、それけの時間が必要だと言うように思える。』
引用:天才! 成功する人々の法則より
一万時間よりも短い時間で真に世界的なレベルに達することはできないのです。
音楽で有名なモーツァルトは6歳で作曲を始めています。
出典:http://www.mozart.or.jp/data/portrait/
しかし彼の子供時代の曲はずば抜けた出来ではなかったそうです。
現在傑作として高く評価されている作品は、モーツァルトが21歳のころに書かれた曲なのです。
著名人の努力に関する格言
バスケの神様 マイケルジョーダン
出典:http://lexiqueboursier.com/
ステップ・バイ・ステップ。
どんなことでも、
何かを達成する場合にとるべき方法はただひとつ、
一歩ずつ着実に立ち向かうことだ。
これ以外に方法はない。
イチロー
ボクの夢は、一流のプロ野球選手になる事です。
そのためには中学・高校で全国大会へ出て、活躍しなければなりません。
活躍をするには、練習が必要です。ボクは三歳の時から練習をはじめています。
3年生の時から今までは、365日中、360日は激しい練習をやっています。
だから、1週間中、友達と遊べる時間は、5~6時間の間です。
そんなに練習しているんだから、必ずプロ野球選手になれると思います。
日本人初のNBA選手 田臥勇太
出典:http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/otherballgame/2015/07/07/post_442/
何回も能代弁で叱られ、
何回も英語でも怒鳴られ、
そのうちの何回かは理解できなかったけれど、
何回も小さいから無理だと言われ、
何回も大男が落ちてきて怪我をし、
何日も眠れない夜を過ごし、
何回も人の言う事に耳をふさぎ、
何回も逃げ出そうと思った。
けれど、何万回もパスをし、
何万キロもドリブルして、
何万回も相手をフェイクし、
何万回も速攻を出し、
何万本もシュートを打って、
何十足もバッシュを履きつぶし、
僕はアメリカのコートに立った。
でも、僕の旅は終わりじゃない。
これは始まり。
まとめ
天才になる方法わかりましたでしょうか?
最低でも一万時間は努力が必要と言うことです。
才能のせいにしてあきらめようとしているなら、一万時間の努力をしたのかを確認してみましょう。
チャオ!