- 野球で肘が痛い
- 野球肘ってなに?
- なんで野球肘になるの?
- 野球肘にならないためにはどうすればいいの?
- 野球肘を治すにはどうすればいいの?
こんな疑問や悩みをもつあなたに、接骨院で院長をしているヨシマツタケシがについて教えます。
野球肘とは?
野球肘(やきゅうひじ)は、野球の投球動作を積み重ねることにより起こる肘の痛みである。正式な医学的名称は、傷害の部位によって異なる。別名、リトルリーガー肘、リトルリーガーエルボー、ベースボール肘、ベースボールエルボーとも呼ばれる。
野球肘 – Wikipedia
野球でボールを投げる動作によって肘に痛みがでることを『野球肘』と言います。
野球肘は痛みの出る場所によって、内側型、外側型などに分かれます。
投球が多いピッチャーに起きることがほとんどです。
野球肘になる原因とメカニズム
野球肘を理解する準備:投球動作の5つの動き
出典:The Five Phases of Throwing a Ball
投球動作は5つに分けられます。
- ワインドアップ期
- コッキング期
- アクセレーション期(加速)
- ディセレーション期(減速)
- フォロースルー期
この中で肘に痛みを起こしやすい動作は、アクセレーション期です。
理解するにはまず肘の構造を知らなければいけません。
肘は蝶番関節
肘は蝶番(ちょうつがい)と同じ構造をしています。
出典:ネッター解剖学
図の赤丸の部分が、蝶番の動きしかできません。
蝶番のように、曲げるか伸ばすかしかできません。
この構造の特徴があるので、肘は横の動きはほとんどなく横の動きにとても弱いのです。
野球肘になるのは、一番負担がかかるアクセレーション期
出典:The Five Phases of Throwing a Ball
投球の5つの動きの中で肘に一番負担がかかるのは、アクセレーション期です。
先ほど、肘は曲げるか伸ばすしかできないと書きました。
このアクセレーション期は、投球動作の中で肘が外に捻られるような動きが強く加わります。
肘の内側は、筋肉によってひきはがされる力が加わります。
肘の外側は、関節の中の軟骨が押しつぶされるような力が加わります。
これらの力が野球肘を作る原因となります。
野球肘2つの代表的な型
野球肘の内側型
野球肘の90%は内側型です。
内側の筋肉自体に炎症がおきたり、筋肉によって骨が引っ張られることによって骨の表面に炎症がおきたりします。
肘に内側の靭帯に損傷がおきることもあります。
ひどければ、骨がはがれてハクリ骨折になります。
骨折までいくと手術が必要です。
野球肘の外側型
外側型は、内側型に比べると確率は低いです。
ただし、外側に痛みが出た時点でかなり危険です。
とくに成長期の小学校・中学生は注意が必要です。
成長期は、肘の軟骨が多く外からの力にとても弱いです。
投球によって何度も衝突を繰り返すと軟骨に成長障害が起こり、最悪の場合、壊死します。
野球で肘の外側に痛みが出た場合は絶対に投げてはいけません。
野球肘の原因
野球肘の原因1. 投げすぎ
日本ではこれは特に多いですね。
リトルリーグなどでは、かなり投球制限を設けるようになってきています。
でも、まだまだ全体を通してみると投げすぎな傾向にあります。
投球では必ず肘に負担がかかります。
たくさん投げて、肘が痛くなるのは当たり前です。
野球肘の原因2. 変化球を練習している
変化球は肘への負担がとても大きいです。
投球フォームが定まってなくて、骨や筋肉も成長しきっていない時期に変化球を練習するなんて最悪です。
無理に手や肘を使って捻じる動きを使ってしまい、痛みが出てしまいます。
ぼくは小中学生は、変化球を練習すべきではないと思います。
野球肘の原因3. 肘以外の関節が硬い
肘に近いところでいうと、手首や肩が硬いと肘に負担がかかります。
体幹や、脚が硬くても体重を使った投げ方ができずに肘に負担がかかります。
体幹などの力を上手く使えないがために、手を使って無理に投げようとしてしまいます。
肘を痛めるような人は、肘以外の関節の柔軟性をあげる必要があります。
野球肘の治し方
野球肘はまず、休む!
痛くなったらやることは1つです。
まずは休みましょう。安静です。
投球数を減らしながら治すなんてバカなこと言わないでください。
肘が痛くなったら、絶対に投げてはいけません。
痛みがひどく炎症が起きている場合は、アイシングをしましょう。
野球肘は、専門家に相談する
整形外科や整骨院、カイロプラクティックなどの専門家に相談をしてください。
まずは、整形外科や整骨院でケガの状態を確認するのが良いです。
ただ、その中でも肘のことをあまり知らない人も多いです。
スポーツのケガに力を入れているような整形外科や整骨院を探すべきです。
ケガとしてまだ筋肉、骨、軟骨などにキズがなければ、全身のケアが必要です。
カイロプラクティックやカラダファクトリーで全身のケアをするとよいです。
カイロプラクティックでは、スポーツを得意にしている先生も多くいます。
野球肘は、ヨシマツタケシならこう施術する
野球肘は、まず休もう
まずは休もう!
まず初めにするべきは、野球肘の痛みをなくすことです。
そのために練習を休ませます。
状態にもよりますが、絶対に投げさせません。
あまりにも痛みがひどい場合はギプスを2~3週間つけます。
外側に痛みが出ている場合は、絶対に病院へ送ります。
野球肘でも全身の施術をします
痛みがなくなったら、全身を診よう!
休んで痛みがなくなったら、肩、手首、体幹、脚など含め全身を見ます。(親御さんの予算次第)
肘に負担がかかりづらい体づくりをします。
野球肘の予防法
1番の予防法はやはり、投げすぎないことです。
海外では、投球数がかなり徹底しています。
例えば、2014年のアメリカのリトルリーグのルールを見てみましょう。
出典:2014 Little League Pitch Count Limits and Mandatory Rest Rules | MomsTeam
左が年齢、右が投球数です。
年齢ごとに1日に投げてもいい投球数が決まっています。
さらに、読み進めると投球した翌日~4日目までの投球数も厳しく決められています。
出典:2014 Little League Pitch Count Limits and Mandatory Rest Rules | MomsTeam
年齢ごとの投球数と1日経つごとに投球数を増やしてもいいよとなっています。
これから考えると、下記を目安に投げるといいかと思います。
年齢 | 回数 |
---|---|
小学生 | 50/1日 |
中学生 | 70/1日 |
高校生 | 100/1日 |
成長が活発で軟骨に負担がかかりやすい小学生は、週に3~4回は投げない日を作ると良いと思います。
中・高校生も週に1~2回は休むべきです。
どんなに肩や体幹、脚がしっかり使えても投げれば肘には負担が来ます。
まとめ
野球肘はまずは投げすぎないことが一番の治し方であり、予防法です。
自分でわからない時は必ず、専門家を頼りましょう。
何か質問や相談ありましたら、ご連絡ください。
チャオ!
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