出典:からだしこう
こんにちは!効率の悪い勉強法が大嫌いなヨシマツタケシです!
どの英語の本を勉強しても、どの英会話教室に通っても英語が上達しないと悩んでいませんか?
そもそも日本人は英語が下手で当たり前だということを知っていますか?
日本人は英語が下手で当たり前なんです。
学校の先生や親に英語の点数が悪いと怒られたとしても「だって日本人だもん。仕方ないじゃん。」と言ってやりましょう!
言語間の距離というものがあり、日本語と英語は遠くかけ離れています。
今回の記事では日本人が英語が下手な理由を紹介します。
英語が下手な理由がわかれば逆に対策もできます。
英語を勉強している人だけでなく、英語を教える人は知っておくべき内容です。
詳細いきまーす!
日本人が英語が下手なのは、科学で証明済み
効率の悪い勉強法が大嫌いなぼくにとって、個人の経験に基づくテキトーな意見を聞くことは大嫌いです。
その場では、「へー、そうなんですねー」とかいってスルーします。(笑)
でも、本やブログには個人の経験に基づくものが多いですよね。
- 自分はこうやったらTOEIC900点とれた
- 英語はとにかくしゃべって覚えろ
- とりあえず留学すればうまくなるよ
全部個人の経験に基づく個人的な意見です。
そういった個人の経験からではダメなんです。
膨大なデータの研究に基づく外国語の学習の仕方を研究している第二言語習得論というものがあります。
このブログでは第二言語習得論を紹介する本から学んだ知識や引用をもとに構成しました。
個人の経験に基づいた勉強法だと、その人に似た英語のベースを持った人やその人に似た環境の人しか、その勉強法がマッチしませんよ。
そうではなく、色々な人にとって学びやすい方法とは何かを追求している研究だとぼくは理解しています。
- 勉強しようとする人が何歳なのか
- どんな性格なのか
- そもそも英語にむいてるのか
個人差は必ずあります。
第二言語習得論では、実際に外国語学習に向いていない人がいると考えられてます。
アメリカでは「外国語学習障害」というものが認められつつあるようです。そのための適正テストもあるようです。
まずは、このブログを読んで日本人が英語が下手な理由を知りましょう。
▼第二言語習得理論を知りたい方にオススメ
外国語学習に成功する人、しない人―第二言語習得論への招待 (岩波科学ライブラリー)
なぜ日本人は英語が下手なのか?
日本人が英語が下手な理由1. 動機づけが低い
日本にいて英語が使えなくても困ることはありません。
使えた方がいいなーと思う状況はあっても、使えなくても生きていけますよね。
例えば、英会話の記事で紹介したフィリピンでは英語ができないと社会ではかなり不利です。
フィリピンの現地語のタガログ語も日本語と同じように英語との違いはとても大きいです。
けど、それでもフィリピンでは英語が必要なので、フィリピン人は英語ができるのです。
インドも同じように勉強するための動機づけがめちゃくちゃ強いです。
日本ではどんな動機があるでしょうか?
日本人が英語が下手なのは、学ぶ動機がないから?
日本ではまず教育において良い成績をとりたいという動機がありますね。
入試でも避けては通ることができないので、動機としてはかなり高くなります。
このように利益を求めて学習する動機は、「道具的動機づけ」と呼ばれます。
英語ができれば就職が有利、英語の資格があれば給料があがるなどもコチラに分類されます。
その反面で、英語をコミュニケーションの手段としてとらえる動機もあります。
- 外国人とコミュニケーションをとりたい
- 好きなアメリカの映画を英語で楽しみたい
- マライヤキャリーの歌を英語で歌いたい
様々な動機があります。
このように英語に対して、英語を話す人に対して行為をもつことを「統合的動機づけ」と呼びます。
道具的動機づけと統合的動機づけではどちらが重要でしょうか?
ガードナーらの初期のカナダにおける研究では、統合的動機づけが重要で、道具的動機づけはあまり重要ではない、という結果が出ていました。
引用元:外国語学習に成功する人、しない人
日本が占領統治した地域で日本語を強制したことで日本語を話せる人がいたり、フィリピンやインドで就職に有利だから話せる人がいたり、ということを考えれば英語・外国語を学ぶには道具的動機づけが重要に思えます。
このガードナーさんの研究で重要なのは、長期的にみれば統合的動機づけの方が重要ということです。
そして、ほとんどの研究で外国語学習の成功と統合的動機づけが結びついています。
ガードナーとマッキンタイアの1991年の実験では、大学生を2つのグループに分け、単語を記憶する作業がうまくいったら10ドルもらえるという条件と、最善をつくすように言われただけの条件で比較したところ、金銭報酬のあるグループの方が、単語の記憶により多くの時間を費やし、成績もたしかに良好でした。
しかし、同時に金銭報酬のなくなった最後の2回の実験では、金銭報酬のあったグループはそれほど努力をしなくなった、という結果も得られています。
引用元:外国語学習に成功する人、しない人
道具的動機づけにしろ統合的動機づけにしろ、動機づけが英語学習の成功に重要な要因であることは明らかです。
日本人の動機づけの弱さが英語が下手な理由の1つであることも否定できません。
でも、日本も変わり始めています。
日本人は英語が下手だけど、学ばなければいけない動機づけ
日本では経済の国際化が進んでいます。
ぼくが退職した富士通もグローバル化、グローバル化といって、業務で使えるレベルのTOEIC600点を推奨し、新人には英語研修をみっちりしていました。
英検などの資格を取ると給料が上がったり、手当がついたりする企業も増えています。
この状況は、日本国内での動機づけは以前に比べて強くなっていると言えます。
動機づけの低かった日本人の英語が変わっていく時期かもしれませんね。
日本人が英語が下手な理由2. 日本語は英語からかけはなれている。
日本人が英語ができないもう1つの理由に、英語と日本語はかなり異なった言語である、ということがあります。
引用元:外国語学習に成功する人、しない人
英語を勉強する人の母語と、勉強対象である英語とが似ていれば似ているほど、勉強は簡単になります。
英語と系統が似たヨーロッパ圏の言葉を母語にする人は、日本人が英語を勉強するよりも圧倒的に有利です。
たとえば、わかりやすい例ではロマンス語に属するスペイン語とポルトガル語があります。
別の言語ととらえられることもありますが、文法や単語が非常に良く似ているのでなんとなくコミュニケーションがとれてしまうそうです。
スペイン人の友人から言わせると、スペイン語とポルトガル語は、方言くらいの違いしかないそうです。
日本人が英語を勉強するのが難しいのと同じで、アメリカ人が日本語を勉強するのも難しいです。
それに比べてアメリカ人がスペイン語やフランス語を学習するのはずっと楽です。
外国人でどんなに日本語が上手い人がいても、外国人にしては上手いというレベルの人ばかりですよね。
アメリカ国務省の外交官養成機関であるForeign Service Instituteの1985年の資料によると、アメリカ人が日本語をかなりのレベルで使えるようになるのには、アメリカ人がスペイン語をかなりのレベルで使えるようになるまでの時間の倍以上かかるということです。
引用元:外国語学習に成功する人、しない人
日本人が覚えやすい外国語は韓国語
語族的には、日本語の起源はいまだはっきりせず、アルタイ諸語の1つであるとか、オーストロネシア語族であるとか、両者の混合であるとか、諸説があります。
引用元:外国語学習に成功する人、しない人
いいですねー。日本の謎に包まれた感じ。(笑)
そんな謎につつまれた日本語は文法の面で韓国語に非常によく似ているそうです。
あとは、中国語は音声や文法は有利でないにしても漢字という点で共通点が多いため、英語に比べると学習しやすいと予想できます。
でもまだこの予測について実際に比較した研究は今のところないようです。
ただ、色々な外国の人が日本語を学ぶのにどの母語の人が学びやすいのかを調べた研究はあるようです。
カーネギーメロン大学の甲田慶子は、日本語学習者を韓国語、中国語、英語の3つの母語グループに分けて比較しました。すると、初期の段階ですでに、英語話者は韓国語話者・中国語話者に差をつけられて、しかもこの差は学習が進むにつれてさらに広がる、という結果が出ています。
引用元:外国語学習に成功する人、しない人
日本人が英語ができないのは当然だったんですね。
とりあえず外国語覚えたいという目標なら韓国語にしましょう。
日本人が英語が下手な理由3. 日本の英語教育が悪い
日本人が英語が下手なのは、三人称単数現在の動詞接尾辞の-sにこだわりすぎ
中学校の英語でかなり早い段階で習うやつです。
I like dogs.(私は犬が好きです)
He likes dogs.(彼は犬が好きです)
主語がI(私)→He(彼)になると動詞に-sがつく
でもこの動詞の-sは、第二言語習得論からするとかなり後になって使えるようになるものなのです。
数多くの研究で証明されているようです。
英語が一見ペラペラに見える人でも難しく間違えることもよくあることなのです。
これに対して、学校の先生がめちゃ難しい-sが抜けてしまったことに対して減点するのはどうなのでしょうか。
勉強する方も「自分はこんなものもわからないのか、英語下手だな」とネガティブになってしまうかもしれません。
教える先生がこのことを知らずに、教えたらなんでもすぐに使えるようになると思ってたらダメなんです。
第二言語習得論では、外国人の日本語学習においても「おいしくなかった」という否定形はめちゃくちゃ難しく、「食べない」と言う方がかなり簡単だということもわかっているようです。
これを日本語の先生が訂正したところで、効果は期待できないのです。
「食べない」もできないうちに、「おいしくなかった」ができることなんてありえないのです。
大事なのは、英語を教える先生は第二言語習得論を知っておくべきで、勉強する人も知っておくといいかもしれない、ということです。
日本人が英語が下手なのは、形式にこだわりすぎている
先ほどの動詞の最後につく-sなどもそう、日本は形式にこだわりすぎています。
第二言語習得研究の結果わかってきたこととして、外国語のメッセージを理解する、すなわちインプットの理解が、言語習得を進める上で非常に重要だということがあります。
引用元:外国語学習に成功する人、しない人
よく英語を覚えるにはアウトプットが大事だ!と唱える人がいますが、アウトプットが必要かどうかの議論はあっても、インプットを理解することの重要性を否定する研究者はいないとのことです。
このインプットの方法についても日本は間違いを犯しています。
日本人が英語が下手な理由は、日本語に訳すことに重点を置いている
日本の英語教育では、英語を日本語に訳すということをかなり求められます。
I like dogs.を日本語訳しなさいとかいって、日本語で書いた記憶はありませんか?
でもコミュニケーションをとることにおいて、日本語に訳すというのは非常に効率が悪いのです。
中学や高校、大学入試で英語能力を測る方法はほとんどが読み書き文法中心なことにも問題があり、この環境を変えるには相当な時間がかかりそうです。
日本語に訳して、その日本語を読んで意味をとる、というのは、自然な言語習得に必要な「インプットを理解する」という機会を学習者から奪っていることになります。
引用元:外国語学習に成功する人、しない人
このような教育は無駄ではありませんが、言語を使って外国の人とコミュニケーションをとり、違う文化を知るという外国語学習の良いところを奪ってしまっていますよね。
ぼくはこのことを身をもって経験したのは、English Companyの体験レッスンでした。
体験レッスンの先生から「試しに今から話す英語を無理やり日本語に訳しながら聞いてください」と言われたのです。
日本語に訳して英語を聞こうとすると、あっという間にその先生が話していることについていけなくなります。
そんなアホなと思うならやってみてください。
絶対についていけないです。そして、英語ができないとなげいている人ほどこの現実を知らずに頭の中で日本語に訳そうとしてしまっているのです。
日本人が英語が下手な理由:まとめ
日本人が英語が下手な理由がわかりましたか?
これはぼくが適当にいっているわけではなく、第二言語習得論という膨大なデータをもとにした研究からくるものです。たった一人、自分が成功した英語習得の方法をごり押ししているわけではありません。
ぼくが知る限りでは、English Companyという英語のパーソナルジムではこの第二言語習得論をとりいれて英語を教えているようです。
ただ、English Companyの問題は、人気過ぎて実際にレッスンを受けるまでかなり待たされることです。ぼくも体験レッスンを受けてレッスン開始待ちしていますが、もうすでに1ヵ月も経ちました。1、2カ月待ちは必須です・・・。(涙)
ぜひ、第二言語習得理論を知ってあなたの勉強に役立ててください!教える立場の人は教育に役立ててください!
チャオ!
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